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– 消えた灯りと、生まれる旋律 –
これは「夢の街物語」第10話「商店の灯が、ひとつ消えた夜に」を、一曲のBGMにしたものです。舞台は、石畳の路地沿いにならぶ商店街。夜の話です。
舞台:石畳の路地沿いの商店街
夢の街の商店街は、街のグッズや住人たちの作品がならぶ通りです。この街ではまだ、灯りのある場所は数えるほどしかありません。だからこそ、ひとつまたひとつと窓に灯りがともっていくことが、街にとっての小さな事件になります。
この第10話のはじまり、商店街には三軒の灯りがともっていました。霧の底に沈んだ通りで、その三つの窓は夜のなかにくっきりと浮かんで見える。わんこは石畳の途中で足を止め、「ひとつ、ふたつ、みっつ」と数える。ここまで来るのに、ずいぶん時間がかかった――そんな夜の情景から曲は始まります。
その夜、いちばん奥の灯りが消えた
けれど、その夜のことでした。いちばん奥の店の扉が音もなく閉じて、灯りがすっと消えます。
外の世界では、写真素材を売るという試みをひとつ、区切りをつけて手放しました。うまくいかないとわかったものを、無理に続けない。それは責められる出来事ではなく、前へ進むための選択です。物語のなかでは、それが「いちばん奥の商店の灯りが消える」という情景になりました。「灯りが消えたぶん、この街は身軽になった。持ちすぎたものを手放すと、風の通り道ができる」――ティのこの言葉が、この回のいちばんの芯です。
そして、その消えた夜にこそ、変化が起きます。Dream City lo-fi RADIOの窓の奥から音楽が流れはじめ、旋律が触れたところから霧がわずかに退いていく。残った二軒の灯りが、さっきより明るさを増して、互いを照らし合う。やがて夜空から星の粒子が降りて石畳に散らばり、一枚の石が確かな輪郭を持って浮かび上がる――「市場への道、石畳を一歩分確定」。灯りがひとつ消えた夜に、道は逆に一歩のびたのです。
この「消えることと、増えることは、同じ夜のなかにある」という手触りを音にしたくて作りました。
曲と歌詞に込めたもの
テンポは70BPM。メランコリックなLo-Fiジャズが、途中から温もりへ解けていく構成にしています。ミュートをかけたトランペット、まろやかなローズ・ピアノ、ブラシドラム、歩くようなウッドベース。そこに夜の雨の音と、レコードの質感を重ねました。短調のさみしさから始まって、少しずつ長調へ――消えた灯りを見送る気持ちと、そこから生まれてくる旋律の両方を、一曲のなかに閉じ込めています。
歌詞では、消えた窓にそっと頭を下げてから、また一歩、石畳を踏む。「終わることと 始まることは たぶん おなじ場所にある」。手放したさみしさを消さないまま、それでも前へ進む夜の歌です。
[Verse 1]
みっつ ともった 商店の灯
ひとつ ふたつ みっつ 数えた夜
いちばん奥の 扉が閉じて
灯りがひとつ すっと消えた
[Chorus]
閉じることは 負けじゃない
手放せば 風の通り道
消えた窓に そっと頭を下げて
また一歩 石畳を踏む
[Verse 2]
studioの奥 音楽が生まれ
触れたところから 霧が退く
残った灯りが 互いを照らす
かたちを変えて ふえてゆく光
[Bridge]
星の粒が 石畳に降りて
消えずに 淡く 光りつづける
市場への道 一歩分 のびた
[Outro]
終わることと 始まることは
たぶん おなじ場所にある
遠くで 新しい旋律が鳴る
こんなときに流してみてください
- 夜の作業に
- 静かに休みたい夜に
- 読書のおともに
この曲をそのまま一本にしたBGM動画にしています。うまくいかなかった一日の終わりに、そっと寄り添えたらうれしいです。
動画(YouTube)
この曲のBGM動画は、夢の街チャンネル(@dream-town.)で公開します。
灯りがひとつ消えても、街は終わりません。かたちを変えて、また増えはじめる。そんな夜の一曲でした。
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