これまで人が手を動かしていた動画づくりを、今回はじめてAIエージェントに委譲した。結論から言うと、丸投げではうまく回らない。うまくいったのは「渡し方」を設計したときだった。この記事では、どう役割を分け、どう順序を設計し、実際に回してどうなったかを、仕組みとHowの視点で記録する。数字での検証は次回に回すが、まず「型」が見えたので残しておく。
役割分担:生成はCodex、順序設計はクロード、決定は人
まず役割を固定した。動画づくりそのものは Codex(ChatGPTのAIエージェント)に委譲している。Codexは画像生成からSUNOでの音楽生成、動画化までを一気通貫で操作できるからだ。一方でクロードは画像生成が弱い。そこで、生成系はCodex、検収・整形・順序設計はクロード、最終確認と方針決定は人、という三層に切り分けた。得意なところに得意な担い手を置く、という単純な原則だ。実際にやってみると、この切り分けが後の工程で効いてくる。どこで詰まっても「誰の担当か」がはっきりしているので、直す場所を迷わずに済んだ。生成はCodexに任せ、その出力が要件どおりかをクロードが検収し、公開の可否は人が決める。役割の境界を先に決めておくと、AIに任せる範囲と任せない範囲がぶれない。この境界設計こそが、委譲を成立させる最初の条件だった。
設計した”渡し方”:順序ゲートで上流から固める
次に、AIへの”渡し方”を順序ゲートとして設計した。手順はこうだ。①ブログ本文とナレーションを先に確定する。②字幕はナレーション音声と一致させる。③エンディングの後に視聴のお礼とチャンネル登録の案内を入れる。④オープニングは本文とは別素材にする。ポイントは、①②が固まる前に③以降へ進めないことだ。上流が確定しないまま下流に進むと、後からの手戻りが大きくなる。そして上がってきた成果物は、必ず人が確かめる二重チェックを通す。AIの出力をそのまま公開に流さない、という歯止めをあらかじめ工程に組み込んだ形だ。順序を決めておくと、AIに次に何をさせるかを毎回考えずに済む。渡し方が手順として固定されているぶん、指示のブレも減った。
回してわかった実測ポイント
ここからが今回の核心、実際に回してわかったことだ。うまくいった点と詰まった点の両方を、そのまま記録する。
字幕ズレは”後工程の微調整”では直しにくい
最初に出た不具合は字幕だった。字幕が1行でフレームの外に溢れてしまい、読めない。そこで改行を入れたり字幕を調整したりすると、今度はナレーション音声とタイミングがズレる。やってみてわかったのは、この後工程での微調整は難易度が高い、ということだ。片方を直すともう片方が崩れる。実際、今回は微調整を途中で止めた。代わりに、次回は”生成時の初期設定”の側を変える方針にした。後工程で無理に直すのではなく、上流の設定を変えて不具合そのものを回避する、という切り分けだ。
末尾テキストの追加は、微調整より簡単だった
一方で、エンディングのお礼とチャンネル登録テキストの追加は、あっさりできた。これは字幕のようなタイミング同期ではなく、末尾にテキストを挿入するだけの作業だからだ。ここで作業の難易度に差があることがはっきりした。タイミングを合わせる系は難しく、要素を後から足す系は易しい。同じ”追加”でも、音声との同期が絡むかどうかで難易度がまったく変わる。委譲の設計をするなら、この難易度差を前提に工程を組むべきだ、というのが実際に手を動かしてわかったことだ。
制作順を固定すると、上流が効いてくる
三つ目は制作順だ。本文とナレーションを先に確定し、そのあとで画像とBGMを作る、という順序に固定した。すると、ナレーションの雰囲気に合わせた楽曲や画像を作れる。後追いでズレを直すより、上流を先に固めるほうが効率的だ、というのが実際に回して得た手応えだった。順序ゲートは一見まわり道に見えるが、結局いちばんの近道になる。上流が決まっていれば、下流の生成は迷わないからだ。
所要時間とコストは、今回は未計測
正直に書くと、今回の所要時間とコストはまだ計測していない。未計測だ。委譲そのものが初回で、まずは「回るかどうか」と「どこが詰まるか」を確かめることを優先した。数字は次回きちんと計測する予定で、比較できる形になったら改めて記録する。効率を語る以上、根拠になる数字は捏造せず、計測できたぶんだけを出す方針でいく。
まとめ:AIに任せる=丸投げ、ではない
今回わかったのは、AIに任せることは丸投げとは違う、ということだ。うまく回すために必要だったのは、渡し方の設計(順序ゲート)と、人による二重チェック、そして難所は後工程で直さず上流の設定で回避する、という判断だった。この三つは動画に限らず、制作を自分で回したい人がそのまま応用できる運用の型だと思う。まず上流を固め、難所は初期設定で回避する。そして人による最終確認を必ず残す。ここまでを型として持っておけば、動画に限らず別の制作にも横展開できるはずだ。次回は数字を添えて、この型がどこまで効くかを検証していく。
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